運営者プロフィール

矢嶋 美由希

株式会社Re Prism 代表取締役

累計1万人以上を指導してきた「強み覚醒」専門の心理コンサルタント。「才能を持ち腐れしている原石を見つけて、人生のブレイクスルーを経験させる」をコンセプトに活動しています。著書「ふだん使いのマインドマップ」etc

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人と比べるのをやめたらどうなる?シンプルなマインドセットの影響

  • あの人は私と違って才能があってうらやましい・・・
  • 人と比べても仕方ないとわかっているのにやめられない!
  • 人と自分を比べなくてすむ方法はある?

人は、他人と関わりあって生活するなかで、無意識に周囲の人と自分を比べながら社会性を身につけていくといわれています。

しかし必要以上に人と自分を比較することで、ストレスを抱えていたり、人間関係に影響が出たりしている方もいるでしょう。

他人と自分を比較しすぎることは、自分の思考や可能性の幅を大きく狭めてしまうため、注意が必要です。

この記事では、人と自分を比べてしまう心理について解説します。

必要以上に人と比べないための方法や、思考の変化による影響についてもまとめました。

人と比べることをやめることで、抱えていた不安やストレスから解放され、新しい選択や未来への可能性が生まれます。

人と比べてしまう思考を変え、新しい自分の価値を手に入れましょう。

目次

人と自分を比べてしまう3つの原因

人と自分を必要以上に比べてしまうのは、思考パターンが染み付いていることが原因です。

ここからは、人と自分を比べてしまう原因を具体的に解説します。

原因を理解することで、自分の思考パターンを読み取り、コントロールできるようになりましょう。

一歩踏み出すために何から始めればよいかについては、こちらの記事をご覧ください。

原因①自分には価値がないと思い込んでいる

他人から褒められたにもかかわらず「自分はまだまだ」と思い込んでいると、自分自身を認められません。

自分に自信がないので、周囲と比較してしまいます。

たとえば自分の発案でチームや社内のミスが減り、時間短縮になったことで、周囲から評価されても、人と比べて自分を過小評価してしまう人は素直に喜べません。

  • みんなだって頑張っているのに、もっと頑張らないとだめだ
  • 私なんかより、あの人のほうが仕事ができるのに、なぜ私を褒めるんだろう

自分で自分の評価を下げ、プレッシャーを感じているので、常に誰かと比較してしまいます。

人と比べるのをやめ、他人の評価を素直に受け止めることで、自分を認め成長していく新しい発見があるでしょう。

原因②誰かに認められたい欲求が強い

これまで育ってきた環境から、自分より他人がどう思うかを考えるのがクセになっている場合も、人と比べてしまいます。

周囲に褒めてもらった経験が少ないと、他人から認められたい欲求が強くなり、自分の感情をおろそかにするからです。

たとえば子どもの頃に一生懸命解いて、96点だった算数のテストを持ち帰り、「なんで間違えずにできないの」と親から言われたとしましょう。

この場合、自分の「96点に満足していた感情」より「親の評価」に気を取られ、無意識に自分の感情と親の感情を比較してしまいます。

他人がどう考えるか、何をすれば認められるかを優先するようになり、人と比べてから行動に移すクセがついてしまうでしょう。

自分と他人を比較する前に、まずは自分の成果を認め、自分自身の感情を大切にしてください。

そうすることで、自信がつき、ぶれない軸となります。

ぶれない自分軸の作り方はこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

原因③勝ち負けでしか自分の価値を見出せない

「どちらがより優れているか」と勝ち負けを決め、自分の価値を図っていると、人と比べてしまいます。

優れていることへの優越感や自分が優位に立つ安心感でしか、自分を肯定できなくなってしまうからです。

「勝ち組」「負け組」という言葉もありますが、実際、社会にそんなルールはどこにも存在しませんよね。

勝ち負けで自分の価値を図ろうとすることは、自分で勝手にルールを決め、自分自身へプレッシャーを与える思考です。

たとえば職場で「同じ仕事をしても、この人にだけは絶対に負けたくない」と仕事をしていたとしましょう。

ある日、相手が自分より結果を出して評価されたら、「負けた」と考えますね。

すると、相手の成功は自分や会社にとってもプラスであるはずなのに、素直に喜ぶことができません。

誰かに何か言われたわけでもないのに「負け」によって自分勝手に傷つき、ストレスを感じてしまうのです。

他人は勝ち負けを競う「敵」ではなく、仕事においてはむしろ「仲間」です。

相手と比較しプレッシャーを感じるより、成功を分かち合い、高め合っていける思考を意識しましょう。

人と比べるのをやめたらどうなる?シンプルなマインドセットの影響

人と比べることをやめると、自分を縛っていた思考から抜け出すことができ、これまで抱えていたストレスや不安から解放されます。

人と比べて自分自身を制限する考え方を見直し、豊かな思考へと変換していきましょう。

ここからは自分の思考パターンや思い込みを見つめなおし、人と比べることをやめた場合の影響を考えていきます。

影響①大きな決断ができるようになる

人と比べることをやめ、自分自身を見つめることで、他人に影響されず、自分の意思に基づいた決断ができるようになります。

自分は自分、他人は他人と考え人に流されなくなるからです。

人と比べるクセから抜け出せない場合、周りの目が気になり、自分の気持ちを疎かにしてしまいます。

「起業しよう」と思っても、「人と違うことして大丈夫だろうか」「家族や友人はどう思うだろう」など考えてしまいますよね。

しかし人と比べるのをやめたら、起業を成功させるためにすべき行動は何かへと考えを変えていけるでしょう。

自分の意思を大切にすることで、優柔不断を打開し、大きな決断にもぶれないマインドセットを確立できます。

優柔不断で悩んでいたり、良くも悪くも人に影響されやすい性格の直し方については、こちらの記事も参考にしてください。

影響②ストレスが減る

人と比べることをやめることで、自分で自分にかけていたプレッシャーから解放され、ストレスが減ります。

先ほどの勝ち負けの話に共通しますが、誰に決められた訳でもないのに相手と競うと、負けたときに、余計に落ち込んでしまいますよね。

もしくは、相手の成功に嫉妬してイライラすることで、相手と比べなければ本来考えなくてよいストレスにさらされてしまうでしょう。

人と比べることは、モチベーションをあげる行為とみる人もいます。

しかし勝った負けたで一喜一憂し、余計な感情に心がとらわれてしまうと、自分の可能性を制限してしまうため注意が必要です。

人は人、自分は自分として、フラットに物事を見ることで、余計な感情を捨て、心にゆとりを持ったマインドセットを意識しましょう。

影響③時間に余裕ができる

「人は人、自分は自分」と、うまく切り離して物事を見るマインドセットができるようになれば自分を見つめる時間ができ、余裕が生まれます。

比較対象に強い関心をもち、考える時間を自分の時間として有効活用できるからです。

たとえば「このデータの入力を隣のデスクの同僚より早く終わらせよう」と競おうとすると、自分の作業をしながらも、同僚の進捗が気になってしまいますよね。

自分の作業に集中し早く終了すれば、同僚の作業を手伝ったり、次の仕事へと取りかかれたりと、結果として仕事を早く終了させることができるでしょう。

人と比べることをやめることで、自分に集中する時間ができ、心に余裕を持つことができます。

影響④他人の幸せを素直に喜べる

他人と自分を切り離して考えられるマインドセットが身につけば、嫉妬や焦りを感じる必要がなくなり、他人の幸せや成功を心から喜べるようになります

たとえば、自分は先月彼女と別れたばかりなのに、3歳年下の同僚は結婚していて来月子どもが産まれると聞いて、独身の自分に焦りを感じたとします。

しかし人と自分は違う人間で、得意なことや好きなことが違うように、同じ職場で働いているだけで、お互いの歩んできた人生はまったく違いますよね。

「比べる」という行為で同じ軸に乗せてしまうと、相手の幸せに対して「自分の方が劣っている」「悔しい」といった感情を抱き、人の幸せを喜べなくなってしまいます。

「自分には自分の幸せがあり、人には人の幸せがある」と、それぞれを独立させて考えると、心から祝福の言葉をかけることができるでしょう。

影響⑤人間関係が良くなる

人と比べないマインドセットで、ネガティブな感情を抱えることが減り、人を変に疑うことなく信頼できるようになります。

先ほどの例でいえば、来月子どもが産まれる同僚に対しても、自分と比較せず「子どもが産まれる」という状況を、まずは受け入れることが大切です。

そして、気持ちに余裕を持つことで「忙しくなるね。仕事もできるだけフォローするから、家族を大切にしてね。」とあたたかい言葉をかけることができれば、あなたとその人の関係はさらに良いものになりますよ。

人と比べるのをやめ、割り切って受け入れることで余裕を持ち、相手との関係を円滑にする方法にエネルギーを使うことを意識しましょう。

人と比較しそうになったときの4つの対処法

つい人と比べてしまいそうになったときは、その場を離れたり、相手を分析する思考に切り替えることをおすすめします。

人と比べるクセをなんとかしたい気持ちはあっても、長年のクセをいきなり直すのは大変な作業だからです。

ここからは人と比べてしまいそうになったときの対処法について解説します。

考え方を変え、しみついた思考パターンからの脱却を目指しましょう。

「考え方を変える」具体的な方法についてはこちらの記事で紹介しています。

対処法①比較対象から離れる

無意識に比較している瞬間に気がついたら、その場を離れるなど、物理的に情報を入れないようにすることで、気持ちをリセットすることができます。

相手と話していてモヤモヤする気持ちになったら、その場を上手に離れたり、話を変えたりして、比べる対象と距離を取る工夫をしましょう。

SNSでやましくなるような投稿をひたすら見ることも、自分と比べるきっかけとなり、心が疲れてしまうため注意が必要です。

SNSなどでモヤモヤしたら「思い出したらまたフォローしよう」と、思い切ってフォローをはずしてみるのも一つの手ですよ。

比較対象との接触をさける、SNSなど利用を自分で制限するなど、物理的に離れ、心を落ち着かせる時間を持ちましょう。

対処法②比べるのではなく「分析」する

相手と比べず、相手を「分析」する思考をもつことで、自分と相手を切り離して考えることができます。

嫉妬や劣等感ではなく、良い所や成功の理由に気持ちを向けられるからです。

たとえば、自分と同じ程度の実績の同僚だけが、次のサイクリングのイベントの企画チームに選ばれたとしましょう。

ここで「なぜ同じ実力なのに相手が選ばれたのか」を分析すると、「彼は自転車通勤で、最近クロスバイクも買い替えてたし、適性があると判断されたのだろう」という答えにたどり着きます。

相手の長所を認め、適性を分析することで次の思考に気持ちをシフトし、相手に執着する気持ちから逃れることができますよ。

仕事や友人関係で、物理的に離れることが難しい場合にもおすすめの方法です。

相手と自分を比較するのではなく、分析によって相手を認めた上で、自分を見つめなおすことで、その先の目標に目を向けるクセをつけましょう。

対処法③比較するのは「過去の自分」

どうしても比較をしたいときは、過去と今の自分を比べ、これまで積み上げてきたことを評価しましょう。

成長や変化を感じることで、さらなるモチベーションへとつながるからです。

「今月は同僚より営業の成績が悪かったな」と人と比べると、結局「今だけ」の結果にとらわれて立ち止まってしまいます。

過去の自分に目を向けることで、未来の自分のためにすべきことが見えてきますよ。

たとえば「契約は少なかったけど、新規の顧客が増えたな」「来月は新商品が発売になるので、あの顧客に声をかけよう」など、今を活かした未来を考えられるでしょう。

過去の自分と今を長く見つめ、積み上げてきたことや今日までの変化で自分の成長を実感することで、モチベーションが上がります。

モチベーションが上がることで「もっとこうしよう」「次はこれをやってみよう」と前向きな気持ちになり、自分自身の成長を後押ししてくれるでしょう。

モチベーションを上げ、ネガティブな自分に勝つ方法は、こちらの記事を参考にしてください。

対処法④「人と比べても意味がない」と自分に言い聞かせる

人と比べそうになったら「人と比べるだけでは何も変わらない」とあえて声に出してみましょう。

頭で考えるだけでなく、声に出し耳からも情報を入れることで、覚悟や目標はより明確になります。

他人と比較しても、「今この瞬間」の結果を切り取っただけに過ぎません。

その人の背景が自分と違うため、苦しい思いをするだけで発展や成長はないでしょう。

繰り返しになりますが、相手の成功をしっかり認め、分析した上で「人は人、自分は自分」と考えるクセをつけることが大切です。

自分をしっかり見つめることで、先の目標やモチベーション維持につなげていきましょう。

自分だけの強みを見つける方法は、こちらの記事に詳しく解説しています。

まとめ

この記事では、人と自分を比べてしまう原因や対処法を紹介しました。

今回の記事のまとめです。

  • 人と比べることは、自分の価値を下げ、可能性や選択の幅を狭めてしまう
  • 比べるクセをやめることで、自分のモチベーションを高めたり、人間関係を良くしたりできる
  • 人と比べそうになったときは、物理的に離れることがおすすめ
  • 相手の長所を認め、「人は人、自分は自分」と割り切ることが大切
  • 過去の自分と比較し、積み上げてきたことを大切にすると成長できる
  • 相手と自分は違う人間で、相手には相手の、自分には自分の幸せや成功がある

人と比べるクセのある人は、常に周囲の目が気になり、「もっと頑張れたはず」「期待以上の結果を出さないと認めてもらえない」と、強いプレッシャーを感じています。

もちろん、周りの期待に応えようと努力することはすばらしいことです。

しかし、努力した自分自身も認められるようになりましょう。

自分も他人もそれぞれを認める、おおらかなマインドセットで、可能性に満ちた明るい未来が見えてきますよ。

「人は人、自分は自分」と、時には声に出して意識し、自分の気持ちや目標を大切にする思考を身につけましょう。

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