運営者プロフィール

矢嶋 美由希

株式会社Re Prism 代表取締役

累計1万人以上を指導してきた「強み覚醒」専門の心理コンサルタント。「才能を持ち腐れしている原石を見つけて、人生のブレイクスルーを経験させる」をコンセプトに活動しています。著書「ふだん使いのマインドマップ」etc

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「女性は向上心がない」と言われる理由とは?仕事で向上心がない自分を改善する方法

  • 今の仕事で上を目指したいと思えない!
  • 向上心がないのは悪いこと?
  • 向上心を持つにはどうしたらいいの?

仕事で「現状維持でいいけど、このままでいいの?」「新しい仕事を任されたいと思えないけど、頑張り方がわからない」など、仕事に積極的になれずに悩んでいる人もいますよね。

なかには仕事に面白味を感じられなくなり、ただやり過ごすだけの毎日に不安を抱えたりする人もいるでしょう。

特に女性は、女性ならではの理由があり仕事に対して向上心を持ちにくいと言われています。

この記事では、向上心を持って仕事をすることについて解説します。

仕事での向上心の持ち方を知って、自分の価値やスキルを磨いていきましょう。

目次

向上心がないと何が悪いのか?

向上心とは心を上に向かわせるという文字通り、現状からより高みを目指して成長しようと努力する気持ちのことです。

なので「今より賢くなりたい」「昇進したい」「ステップアップしたい」など、思いを叶えるため努力しようとしている人は向上心があるといえるでしょう。

しかし、誰もが向上心を持って仕事をしているわけではありません。

極端な話ですが、目標がないと仕事ができない訳でもなく、与えられた仕事をしっかりとこなしていれば、社会の中では十分やっていけますね。

では、具体的に向上心がないことの何が問題なのでしょうか。

問題点としてあげられるのが、向上心がないことで、積極性もなくなってしまうことです。

たとえば、伸びしろがあっても、本人に気持ちがなければ成長にはつなげられません。

仕事で常に受け身の姿勢でいると、評価されることも難しいでしょう。

向上心はなくても仕事はできますが、あったほうが、メリハリをつけて働けるのです。

女性が仕事で向上心をなくしてしまう理由とは?

よく「女性は向上心がない」と言われますが、向上心を持つことは個人によるので、性別はあまり関係がないといえるでしょう。

実際のところ、男性であっても、女性であっても仕事で向上心を持てずに悩んでいる人は多いですよね。

ただ、「女性は向上心がない」と言われてしまう理由には、女性ならではのキャリアの問題があることも事実です。

ここでは、女性が仕事で向上心を持てなくなってしまう理由を紹介します。

理由①頑張っていける環境が少ない

女性が「ここで頑張るのは難しい」と諦めてしまう理由のひとつが、女性がキャリアを積んでいける環境が少ないことです。

女性役職者の割合を厚生労働省の令和4年度雇用均等基本調査から見ると、「医療、福祉」では女性役職者(部長・課長・係長相当)が50%前後一方で、他産業では8%~20%程度にとどまっています。(※1)

どんなに頑張ってキャリアを積みたいと考えても、環境やチャンスがなければ叶えられません。

また、女性は出産の際に、必ず仕事を休む期間が発生しますね。

産後に希望しても同じポジションに復帰するのが難しかったり、会社が出産や育児と仕事の両立に対して消極的だったりすると、女性は3年後、5年後のキャリアプランが立てにくくなるでしょう。

向上心のもとになる目的や目標が見えにくい環境であることが、女性が仕事で向上心をなくしてしまう理由のひとつです。

(※1)厚生労働省 令和4年度雇用均等基本調査『図 11 産業別女性管理職等割合』

理由②根付いている価値観がある

先ほど、女性管理職として活躍していける環境が少ないことを理由にあげましたが、そもそも女性自身がキャリアアップに対して前向きでないことも、向上心がないと言われる理由です。

さまざまな背景から構築された価値観では一概には言えませんが、女性には「仕事と家庭を両立する」という考えが強いといえます。

令和4年雇用動向調査結果の概況から、転職入職者が前職を辞めた理由を見てみると、労働条件/結婚/出産・育児/介護を理由にした人は女性の方が高い傾向がありました。(※2)

労働条件結婚出産・育児介護
男性8.0%0.5%0.1%0.7%
女性10.1%2.2%2.1%1.5%
引用:令和4年雇用動向調査結果の概況『転職入職者が前職を辞めた理由』

キャリアアップをして仕事量が増えてしまうと、ワークライフバランスを保つのが難しいと考え、あえて現状維持を選択している人もいるでしょう。

(※2)令和4年雇用動向調査結果の概況『転職入職者が前職を辞めた理由』

理由③給料の男女差を感じてしまう

何年も前から給料の格差を是正しようという動きがあるものの、いまだに賃金の男女格差は残っています。

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の概況では、30代〜50代どの世代を見ても、女性の方が賃金は低くなっています。(※3)

年齢男性(単位:千円)女性(単位:千円)
30~34302.1259.6
35~39337.9270.1
40~44371.8276.8
45~49396.9281.7
50~54417.7285.9
引用:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況『(2) 性別にみた賃金』

雇用形態別「正社員」で比べてみても、同様に男性の方が賃金が高い結果となりました。

年齢男性(単位:千円)女性(単位:千円)
30~34307.0270.2
35~39344.8286.4
40~44380.2296.6
45~49406.4304.5
50~54428.3315.2
引用:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況『(2) 性別にみた賃金』

しっかりと稼げることは、仕事へのモチベーションのひとつになりますよね。

極端ではありますが、同じ仕事をしていても、男性の方が早く昇進し給料が高くなるのを目の当たりにしていると、向上心を持つことも難しいでしょう。

(※3)厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況『(2) 性別にみた賃金』

理由④向上心が持ちにくい職種に就いている

向上心の持ち方は、人それぞれの気持ちの問題なので、基本的に職種によって変わることはありません。

ですが、職種によっては頑張り方がわからず、向上心をどう持ったらいいかわからない人もいるでしょう。

特に女性が就いていることの多い一般事務職は、基本的に毎月決まった業務をしっかりとこなすことが求められていますね。

職種の特徴的に、「毎月変わらない仕事でどう向上心を持てばいいの?」と悩んでしまう人もいるのです。

【女性編】仕事で向上心がないと悩んだときの対処法

女性が仕事で向上心を持つためには、環境や価値観など、さまざまな壁を乗り越える必要があります。

では、女性ならではの壁をどう乗り越えればいいのでしょうか。

対策として考えられるのが、自分にスポットをあてて考えることです。

仕事に限定せずに、自分らしさにフォーカスすることで、選択肢や思考の幅が広がります。

たとえば「この職場ではキャリアアップは難しい」から向上心を持てないから、「自分がこの職場で向上心を持つためにはどうすればいいか」へと考えるポイントを変えてみましょう。

仕事で向上心がないと悩む女性に向けて、より具体的に2つの対処法を紹介します。

対処法①どんな人になりたいか考える

女性が就くケースの多い事務職では、向上心の持ち方がわからず悩んでしまっているとお伝えしましたね。

もし毎月変わらない業務内容に向上心の持ち方がわからないと悩んでいるなら、仕事は一度おいておいて、3年後や5年後など少し先の未来でなりたい自分を想像しましょう。

  • 気遣いができる人になりたい
  • テキパキ仕事をこなしたい
  • リーダーとしてチームを引っ張りたい
  • 簿記の資格をとって活かしたい

具体的になりたい自分がイメージできれば、何をどう頑張っていけばいいのかが、はっきりとしてきますよ。

  • 気遣い→周りとのコミュニケーションを増やしてみる
  • テキパキ仕事をこなす→タスク管理に力を入れる
  • リーダー→スキルを磨く
  • 簿記→勉強をする

先ほどの例でいうと、簡単にですが、このように前向きに取り組むべきポイントがみえてきます。

自分の姿がなかなかイメージできないのであれば、「こんな風になってみたい」と感じる人を見つけるのもいいでしょう。

やるべきことが自分でわかり、前向きな気持ちで取り組むことは、向上心へとつながっていきます。

なりたい自分については、こちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

対処法②働き方を変える(転職や契約の変更)

女性が頑張れる環境がないことや、男女の賃金差があまりにも大きいという課題を解決するなら、転職をしたり、正社員からパートへ変更してもらったりと働き方を変えるのが対処法のひとつです。

自分がどんなに向上心を持っても、会社の制度を変えるのは難しいですよね。

会社が変わるのを待つよりも、自分の強みを発揮できる別の場所へと自分で移っていくほうが簡単でしょう。

理由でもお伝えしたように、どの業界も女性管理職はそこまで多いわけではありません。

ただ、女性活躍推進法が施行されたように、国や会社(企業)は女性のキャリアアップに前向きに動いています。

しっかりと自分らしく、向上心を持って仕事ができる環境も増えているはずです。

「ここでは頑張れない」と落ち込んでしまっているなら、転職を検討したり、働き方を見直したりしてみましょう。

環境を変えたいと考えたときは、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

向上心がない人はつまらない?!仕事で向上心がない自分を改善する3つの方法

「向上心がある人がいるとモチベーションが高く保てる」「仕事の質が高い」など、転職や人事評価など、働く場所で向上心がある人は高く評価される傾向があります。

ですが、向上心があったほうがいいとはわかっていても、なかなか持てない人もいますよね。

ここでは、仕事で向上心がない自分を改善する方法を紹介します。

方法①「~したい」という欲を持つ

仕事で向上心がないと悩んでいるなら、何かひとつ「欲」を持ってみてください。

そして、欲を満たすためには、仕事でどんなことができるかを考えていきましょう。

たとえば「あのブランドのキッチン用品が欲しい」といった、仕事に関係ない欲でも、購入したい高額なアイテムがあるなら、お金を貯めなければいけません。

「仕事を頑張って●●万円貯めよう」なら仕事で今の自分は何を頑張らなければいけないのか、これから挑戦したほうがいいことは何かなどが見えてきます。

向上心とは、現状からより高みを目指して成長しようと努力する気持ちのこととお伝えしましたね。

「やりたい」「なりたい」「欲しい」という欲は、目標や目的を持って行動する力になり、努力や挑戦をする、向上心を持つきっかけをつくってくれますよ。

方法②得意なことを見つける

「成長しよう!」という向上心を仕事で持てなくても、「資料作りは好き」「調整役が向いている気がする」など、得意とする仕事がある人もいますよね。

その自分の得意な仕事に、向上心を持つためのヒントがあります。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、得意なことや好きなことは熱中しやすく、自分自身で伸ばしやすい部分です。

たとえば資料作りが好きなら、見やすい資料をテンプレート化して部内で共有したり、副業で資料作成をしたりなどで、スキルを伸ばしていけますね。

得意なことをベースに「あの仕事もやってみたいな」「もっと自分のスキルを伸ばすには何が必要だろう」と考えていくことが、向上心を持つことにつながります。

自分には得意なことどころか、何の才能もないと悩んでいる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

方法③物事の裏側にも目を向けてみる

「ダメな自分」ばかりに目を向けて、向上心を持てない人は、自分自身を今までと違った角度から見ることを意識しましょう。

自分の長所と短所は、表裏一体だからです。

たとえば「向上心を持たずに仕事をしている自分」、裏を返せば、「難なく臨機応変に仕事をこなしている」といえるでしょう。

言われた通りにこなすのが得意だったり、単調な仕事だけをこなすことに不満を感じにくかったりすることが、自分自身の強みとも考えられますね。

先ほどの得意なことと同じように、自分の強みや自分らしさは伸ばしやすく、向上心のタネになります。

視点を変えることでも、向上心をもちやすくなるでしょう。

視点の変え方について、こちらの記事に詳しくまとめたので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

【注意】仕事で向上心がないと言われてしまう人の特徴

  • 自分に自信がない
  • 自己肯定感が低い
  • 責任感がなく他力本願
  • 周囲に関心がない
  • 安定を好み、変化を嫌う
  • すぐに諦めてしまう

向上心がない人は、自分にはこんな仕事はできない、あんな風にはなれないからと挑戦をしない傾向があります。

「石橋を叩いて渡る」、確実性や堅実性がある一方で、消極的な姿勢ともいえます。

どちらが良い、悪いという話ではありませんが、常に消極的な姿勢でいると仕事では「やる気がない」と受け取られてしまうので注意が必要ですよ。

「仕事で向上心がない」と言われてしまった際は、仕事で常に受け身になっていないか振り返ってみましょう。

まとめ

この記事では、向上心が持てない女性ならではの理由や、向上心を持つ方法を紹介しました。

最後にこの記事を、簡単にまとめますね。

  • 仕事で向上心はなくても問題はないが、あったほうがいい
  • 向上心を持てないことに性別はあまり関係ないが、仕事では女性ならではの課題が関係している
  • 女性が仕事で向上心を持つ際は、自分らしさを重視するのがポイント
  • 得意なことや自分の強み・弱み、欲のなかに、向上心を持つためのヒントがある
  • 仕事では「向上心がない=やる気がない」と捉えられてしまうケースもあるので注意

繰り返しになってしまいますが、転職や人事評価などからわかるように、向上心はなくても仕事はできますが、あったほうがいいです。

向上心を持つことは、自分の価値を上げることにつながりますよ。

さまざまな壁を乗り越えて、向上心を持って、自分らしく仕事をしましょう。

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