他人のために生きる幸せとは?自己犠牲との違いと疲れたときの対処法を紹介
- 他人のために生きると幸せになる理由が知りたい!
- 他人のために生きるのは自己犠牲とは違う?
- 他人のために生きて疲れたときはどうすべき?
日本人は場の空気を読んで他人を敬う気質の人が多く、他人に気を遣いすぎたり、自分を後回しにしてまで他人を優先してしまい、生きづらさを感じている人が少なくありません。
近年はこうした日本人らしい生き方が見直され、自分のために生きるべきとの声が高まっていますが、一方で他人のために生きる幸せを感じている人もいます。
なぜ、他人のために生きながら、自分も幸せを感じられるのでしょうか。
そこで本記事では、他人のために生きる幸せについて解説しています。
自己犠牲にならない他人のために生きる幸せを見出す方法を知りたい人は、本記事をぜひ参考にしてください。
他人のために生きる幸せとは?
たくさん荷物を抱えている人に声をかけて半分持ってあげたり、道具の使い方がわからない人に教えてあげたりなど、他人に思いやりを持って接した経験は誰でも一度くらいはあるのではないでしょうか。
これらは向社会的行動と呼ばれ、報酬や見返りを期待せずに、他人を助けようと思ったり恩恵を与える行動になります。
向社会的行動は、親や友人など大切に思っている相手ほど行いやすくなります。
報酬や見返りを期待した行動ではないものの、結果として相手が幸せを感じることで自分も幸せになるからです。
向社会的行動のように、他人のために生きる幸せとは相手にとっても、自分にとってもポジティブな影響がある行動や思考のことを指します。
他人のために生きることと自己犠牲との違い
相手にとってだけではなく、自分にとってもその行動に価値があるかどうかが、他人のために生きる幸せと自己犠牲との大きな違いです。
そして、行動に価値を感じるかどうかは、自分軸か他人軸かで分かれます。
自分軸とは、簡潔にいうと他人や世間がどう思うか関係なく、自分の意思を主体に物事を考えることです。
これに対し他人軸は、他人や世間がどう考えるかを基準として行動や発言などを行うものになります。
自分軸で他人に行う親切は、行動に価値を感じ、自分が「やりたい」「助けたい」と自ら望んで行うものです。
他人軸で行う親切は「本当はやりたくないけれど、人の役に立つべき」という思いや「相手から求められていると感じる」から行っています。
たとえ相手が喜んでくれていても、そもそも行動に価値を感じていないので、自分も幸せとは感じられず、自己犠牲感が強くなってしまいます。
自分軸について悩んでいる人は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
なぜ他人のために生きると幸せなの?3つの理由
他人のために生きて自分が幸せになるのは、相手から感謝をされたり、信頼を寄せてもらうことで自分も幸せになれるからです。
具体的には、次の3つの理由があるので、詳しく見てみましょう。
理由①相手の喜びが自分の幸せにつながっているから
他人のために生きる幸せを見い出している人は、「自分の幸せ」と「他人の幸せ」がつながっていると知っています。
エレベーターに先に乗り込んで「開」ボタンを押して待ってあげたら、子どもを連れたお母さんから「ありがとうございます」と感謝され、その日一日温かい気持ちで過ごせたといった日常の些細な経験は、その代表的な例でしょう。
親切にされたのは子どもを連れたお母さんであり、あなたは親切をしたほうで、一見するとなにも得たものはないように思えますよね。
しかし、親切をしたほうにも関わらず幸せな気持ちになるのは、他人への親切が自分自身の幸福度を高めるからです。
これは学者の研究や調査によって証明されており、他人になにか良いことをしてあげるのは自分にとっても良い影響があり、「他人の幸せ」が「自分の幸せ」につながっているといえるのです。
理由②自分の人生が豊かになるから
他人に思いやりのある行動をすると、相手から信頼され、人間関係が円滑になります。
あなたを尊敬する人が周囲に集まるようになり、取り巻く環境が居心地の良いものになります。
なにかトラブルが起こっても助けてくれる人がいたり、相手の立場に立って物事を考えられることで解決までスムーズにいくケースが多いでしょう。
他人のために生きることで、信頼を寄せてもらえたり、良い意味で依存できる人が周りにいできたりなど社会的な豊かさが生まれます。
理由③自己肯定感が上がるから
他人に親切にして感謝されると、あなたがしたことが相手の役に立ったとわかり、自分の行動は正しかったと認識できます。
自分の行動に自信が持てるようになって、自己肯定感が上がります。
ただし、相手の気持ちや都合を考えない独りよがりの親切は、「ありがた迷惑」と受け取られて喜んでもらえません。
自己肯定感が上がる親切は、相手に感謝されることが大事です。
本当の意味での幸せ!他人のために生きて自分にもプラスになること3選
日本にはむかしから「情けは人のためならず」という言葉があります。
情け(親切)をかけると人(相手)は甘えて成長できなくなる、といった間違った意味で解釈されていますが、本来は他人にした親切は回り回って自分に返ってくるという意味ですね。
ここでは、他人のために生きて自分にもプラスになることを具体的にみていきましょう。
自分の正義を貫く
他人のために生きる幸せと自分のために生きる幸せを両立するなら、柔軟性を大切に、自分の価値観や気持ちに従って他人のためになる行動をしましょう。
たとえば、入社した新入社員がミスをしてしまい、その新人は残業をすることになりました。
あなたは残業を手伝うつもりでいましたが、周りの同僚や先輩からは「新人の成長のために手を貸すべきではない」といわれました。
このとき、自分は残業をせずに帰るべきか、悩んでしまう人は多いですよね。
新人のミスをフォローする残業が、新人だけではなく自分にとってもプラスになると判断できるのであれば、周囲の意見に流されずに自分の意思を貫きましょう。
あなたが残業することで新人に信頼してもらえたり、業務の遅れを早く取り戻せるのは、あなたにとってプラスになることです。
ただし、新人が何度もミスを繰り返して改善するつもりがない、そもそも残業代が出ないなど常識外のことが起こる場合は、あなたが無理をする必要はありません。
他人のために生きる幸せは、あくまでも自分にとっても幸せである前提が大切だからです。
周りに言われたことよりも、自分の意見や気持ちをベースに、他人のためになる行動を選択しましょう。
人との調和を大切にする
チームやコミュニティにおいて、人と人とのつながりや連携を大切にし、揉め事が起こらないようにバランスをとる役割を担うのは、他人のためでもあり自分のためにもなります。
穏やかに話を聞き入れる役に徹することで不要な争いが避けられますし、お互いの温度差も埋められますよね。
円滑なコミュニケーションはモチベーションの向上につながり、仕事の質を高めてくれます。
あなたがチームリーダーであれば、業績や評価に良い影響を与えてくれるでしょう。
しかし聞き役に徹するというのは、相手の意見をなんでも受け入れるということではありません。
理不尽な要求や個人的なわがままに付き合うと、あなた自身が疲れてしまうだけではなく、チームやコミュニティの輪が乱れます。
時には毅然とした態度で接することも必要です。
他人と自分の幸せを考えるなら、バランサー的役割を担ってみましょう。
自分の幸せを優先する
発想を逆転させて、他人の幸せからではなく、自分の幸せから考えて行動しましょう。
何度もお伝えしているように、他人のために生きる幸せの前提には、自分にとっての利益が必要だからです。
問題や課題をクリアしたら、その選択をしたら、何を自分は得られるのかを考えます。
たとえば働き方を変えたくて転職したいと考えたとき、自分の利益は転職後に時間的な余裕が生れることがあげられますね。
結果、家族との時間が増えたり、気持ちにも余裕が生まれて人に当たることが減ったりと周りにもプラスの影響が生じるでしょう。
自分を優先できるのは、自分だけです。
自分の幸せから、他人の幸せにつなげていきましょう。
他人のために生きることに疲れたときの3つの対処法
実際に、他人のために生きて充足感や満足感を得ている人もいますが、一方で疲れてしまう人も多くいます。
それでは、他人のために生きて疲れたときは、どうすべきなのでしょうか。
対処法を3つ紹介します。
対処法①他人のために我慢しない
他人のために生きることに疲れたら、他人のために我慢していることをやめましょう。
あなたが他人のために生きるのは、その先にあなた自身の幸せがあるからですよね。
ずっと我慢をして耐え忍んでも、あなたが成長する機会を奪われたり、物事の成功につながらないのであれば無理をしてまで努力はする必要はありません。
対処法②本音を言う
他人のために生きるために、自分の本音や本心を隠してはいませんか。
他人のために生きる=他人軸で生きると考えてしまうと、周りからの期待や評価ばかりを気にしてしまい、思ったことを言えなくなります。
本音がいえない環境では、ストレスが溜まり、心身が疲れてしまいますよね。
他人のために生きるからこそ、軸はいつでも自分主体で持ってください。
「自分はこう思う」「自分ならこうする」とはっきり意思表示をするだけで、抱えていたストレスは軽減されます。
チームやコミュニティにおいて、相手も自分の意見を述べやすくなり、打開策や新しいアイデアが生まれやすくなります。
本音で人間関係を良好にする方法については、こちらの記事を参考にしてください。
対処法③他人を頼る
「自分の悩みを相手に打ち明けてしまうと迷惑になるのではないか」と考え、自分で解決しようと思ってしまうと、自分自身への負担は大きくなります。
人に不安を打ち明けると、自分の気持ちを客観的に見つめられるだけではなく、相手から思わぬ打開策を提案されて、問題が解決することもあるでしょう。
あなたが人の悩みを聞いて「役に立った」と幸せを感じるように、相手もあなたの悩みを聞いてあげることで幸せを感じられます。
「自分の弱みを他人に見せたくない」といったプライドを捨て、他人を頼る勇気を持ちましょう。
見栄っ張りを直す方法は、こちらの記事を参考にしてください。
他人のために生きる幸せが自己犠牲にならないためには?
- 親や他人の決めつけを自分の価値にしない
- 自分の行動の決定権を他人に委ねない
- ラクをしたいがために相手に依存しない
繰り返しになりますが、他人のために生きる幸せを得るのに大事なのが、他人よりも先に自分を大切に扱うことです。
親や学校の先生、会社の上司など、立場が上の人からいわれることは、それが正しいと思ってしまいがちです。
本心では違う行動をとりたいと思っても、相手が望む行動をしたほうが相手が喜んでくれると妥協したり、最初から他人が決めた行動をしたほうが摩擦が起こらず楽に思えるかもしれません。
しかし、他人から決められたあなたの価値はあなたの本当の価値ではないですよね。
相手の意のままに動くことは、そもそもあなたの本音ではないはずです。
自分自身が満たされていなければ、他人への気遣いや優しさを自己犠牲と感じてしまいます。
自分の気持ちや価値観を一番に尊重したうえで、自分ができること、やりたいと思うことで他人のために行動してみましょう。
まとめ
この記事では、他人のために生きて幸せを感じる理由や、他人のために生きて疲れた場合の対処法を解説しました。
最後に、これまでの内容を簡単にまとめます。
- 人は、他人に優しくすることで自分も幸せになれる
- 他人のために生きる幸せとは、他人に思いやりを持って接することで自分にもプラスの影響があり、人生が豊かになって自己肯定感が高まるもの
- 自己犠牲との違いは、自分軸で行動しているかどうか
- 他人のために生きると周囲とのコミュニケーションが円滑になり、仕事や人間関係、生活環境などが満足する
- 他人のために生きて疲れないためには、我慢をせずに本音を伝えて、時には他人に頼る勇気が必要
自分の時間や労力を使って他人へ親切を行うよりも、その時間や労力を自分のためだけに使ったほうが有意義だと考える人もいるでしょう。
しかし、他人のために生きると自己肯定感を高め、周囲と円滑な人間関係を構築する礎になり、最終的に自分に良い結果や影響を与えてくれます。
自分の人生をより良い方向に進めるために、他人のために生きる幸せを得る生き方を始めてみましょう。