
ロールモデルの決め方とは?手順や設定する際のポイントを徹底解説
- 自分に合うロールモデルの決め方が知りたい!
- ロールモデルはいたほうがいいの?
- ロールモデルを選ぶときのポイントは?
近年は会社側から社員に向けてロールモデルの提示があったり、個別にロールモデルの設定を促されることも増えていますね。
このような背景から、キャリア形成や自己成長のためには、ロールモデルを設定するのがごく普通のことになっているといえるでしょう。
ロールモデルの設定が当たり前になりつつあるなかで、なかには「誰にしたらいいの?」「このやり方でいいのかな?」など、ロールモデルの決め方に悩んでいる人もいますよね。
そこで今回は、ロールモデルの決め方を詳しく解説します。
自分に合うロールモデルの選び方のポイントを詳しく紹介するので、ロールモデルの決め方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ロールモデルとは?

ロールモデルとは、キャリアや人生において「こんなふうになりたい」と思える模範的な人という意味です。
英語のrole(役割)とmodel(手本)を合わせた言葉で、1940年代にアメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱しました。
ただしロールモデルは、単に憧れや尊敬を表現することではありません。
ロールモデルとした人の思考や行動などを分析しながら、自身のキャリアアップや自己成長を目指したり、人生そのものを豊かにする方法です。
ロールモデルを持つことで得られる効果とは?

ロールモデルがあることで、「こうなりたい」を達成するために必要なスキルや資格、思考や行動などが明確になり、ゴールまでの道筋を立てやすくなります。
ゴールまでに枝分かれした道を、その都度自分で選んで進むやり方よりも、ゴールを指す看板を辿ったほうが効率的に進むことができますよね。
仕事に当てはめた場合、同じ業種や職種にロールモデルがいれば、自己流のやり方で遠回りするのではなく、ロールモデルの経験を参考に具体的な方法を選びやすくなります。
また、ロールモデルと自分を比較することで、自分に足りないものや必要なものがわかりやすくなり、おのずと自己成長のスピードが速くなります。
さらに、ロールモデルの価値観などをより深く探りたいと思えば、接点を持つための努力をしたり、質問や相談をするなどして自然と距離を縮めようとするでしょう。
人と多く関わる経験を積むことで、コミュニケーション能力を高めることにもつながります。
真似をする効果については、こちらの記事にまとめたので、あわせてご覧ください。

ロールモデルの決め方!自分に合った人を見つける5つのステップ

適切な方法で設定したロールモデルは、自身のキャリアや人生においてポジティブな効果をもたらしてくれるとお伝えしましたね。
一方で誤った方法や安易な気持ちで設定してしまうと、努力をしても思うような結果が出ません。
それでは、ロールモデルはどのように決めるのがよいのでしょうか。
自分に合った人を見つけるための、以下のステップを詳しく見てみましょう。
ステップ①理想とする自分像を明確にする
誰のようになりたいかを考える前に、まずは自分がどんな働き方を目指し、どんな生き方や価値観を大切にしたいのかを明確にしましょう。
自分がどうなりたいかという柱がない状態で、いくらロールモデルを選んでも意味がないからです。
「社会や地域に貢献したい」「得意なことを生かしたい」「趣味やプライベートの時間を充実させたい」のように、自分の理想を具体的に言語化してみることが大事です。
ステップ②現状とのギャップを洗い出す
次に理想の自分像が明確になれば、おのずと現状とのギャップが見えてきます。
ギャップを理解していないと、現状の自分とかけ離れすぎたロールモデルを設定してしまい、結局は自分自身を苦しめることになります。
たとえばロールモデルには有名人や芸能人を設定してもよいのですが、能力や環境などがかけ離れすぎていると、自分に落とし込むことができずに失敗しやすくなるため注意が必要です。
ギャップの洗い出しにより、今の自分には何がどのくらい不足しているかわかりやすくなり、理想の実現に向けてお手本にすべきロールモデル像が浮かびやすくなりますよ。
ステップ③ロールモデル候補を探す
次に理想とする自分像に重なる人を、ロールモデルとしてピックアップします。
単に目指す方向性だけを見るのではなく、自分と性格や境遇が似ている人や、その人の言動に高く共感できるかなど、多様な視点を持つことが大事です。
ここでは、ロールモデルの具体的な探し方を解説します。
ロールモデルの探し方:実際に会える人の中から探す
職場の上司や先輩、同僚は身近な存在のため、直接会話をしたり観察することで、どんな人か見極めやすい利点があります。
職場が同じであるなど働く環境が近いと、似たような課題に直面した経験を持っており、相談に対して的確なアドバイスがもらえますよね。
職場の人といってもメンターのように直接指導を受けられる関係性である必要はなく、身近にいる人を複数設定しても問題ありません。
会社にロールモデルにしたい人がいない場合は、同業他社に勤めている人やセミナー、業界イベントなどで探すと、環境や価値観が似ている人を見つけやすくなります。
自分を成長させてくれる人の探し方については、こちらの記事を参考にしてください。

ロールモデルの探し方:オンラインで情報発信している人から探す
身近にロールモデルにしたい人がいない場合は、SNSやブログ、YouTubeなどで発信している人の中から探してみるのもいいでしょう。
自分の理想に近い働き方や生き方をしている人は、直接顔を合わせたり声を聞いているわけではなくても、価値観や思考において参考になる場面があるからです。
このとき、有名なインフルエンサーであるかどうかは関係なく、自分にとって参考になる部分を持っているかを重視することが大切ですよ。
オンラインとは少し違いますが、漫画やアニメに登場するキャラクターであっても、「こんな人になりたい」と思うのであれば、それはロールモデルの1人として設定が可能です。
ロールモデルの探し方:書籍やメディアのインタビューから探す
目指している分野で活躍している人の書籍や対談を通じて、その人の価値観や思考などを知り、ロールモデルにすることもできます。
人が成功する過程や失敗から得た学びは、参考になることが多いですよね。
特に生い立ちや境遇が似ている人であれば、将来の自分の姿が想像しやすくなり、「自分も成功できるかもしれない」とモチベーションが上がりやすくなりますよ。
ステップ④ロールモデル候補を観察して分析する
ロールモデルの候補が決まったら、次に一人ずつ深掘りをして、どのような価値観や思考を持っているかを丁寧に分析します。
たとえば、アップル社の創始者であるスティーブ・ジョブズは、毎日同じ服を着ていましたが、理想の自分になるにはそこだけを真似ても意味がありません。
同じ服を着る理由が、意思決定の簡略化という本来の理由を知ることが大事だからです。
ロールモデルとなる人の外見や行動だけにとらわれず、目的や理由までしっかり分析しましょう。
ステップ⑤自分との相性を判断して決定する
その思考や行動が、自分に合うかどうかを見極めた上で、最後にロールモデルを設定します。
ロールモデルは、手本にしたい部分を自分に落とし込んで実行できる人ではなければなりません。
憧れの気持ちだけでロールモデルを選ぶと、表面をただ真似するだけになってしまうリスクがあるからです。
現実的に自分が参考にしたい部分を持っていて、その人から継続して学びを得られるかどうかを基準に判断するといいでしょう。
ロールモデルを設定する際の3つのポイント

ロールモデルは設定を間違えると、理想の自分になるための方向性を見失う原因になります。
ロールモデルは漫画やアニメに登場するキャラクターであっても構わないとしましたが、現実的ではないキャラクターに近づくことは無理ですよね。
ここでは、ロールモデルを設定する際のポイントを詳しく解説します。
ポイント①自分に合う形にアレンジする
ロールモデルを設定する際の1つ目のポイントは、自分に合う形で進めることです。
たとえば、ロールモデルは1人に限る必要はないので、複数の人から参考にしたい一部分を取り入れることができます。
「ここの部分はAさんを参考にしよう」「Bさんのあの部分はすごい」など自分なりにロールモデルの設定をアレンジすることで、自分の価値観に近い形を目指しやすくなりますよ。
またロールモデルに設定する際は、段階的におこない、自分がモチベーションを保てる範囲で進めるといいでしょう。
たとえばAさんの真似が完了したら、次にBさんをロールモデルに設定するというように、少しずつ自分を変えていきます。
ロールモデルの選び方や、進め方を自分なりにアレンジすることが大切です。
自分の理想がわからずに悩んでいる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

ポイント②理想を追いすぎて自己否定しない
ロールモデルを設定する際の2つ目のポイントは、自分で自分を認めてあげることです。
「こうなりたい」を実現しているロールモデルに、少しでも早く近づきたいと思うのは自然な心理ですね。
しかし、理想を追い求めるあまりに、現実の自分を否定してしまったり、焦る気持ちが募るとストレスや不安が強くなります。
ロールモデルとなるような人も、ある日突然、人から憧れる存在になったのではありません。
一歩ずつ努力を積み重ねてきた結果が、人から憧れを抱かれる現状につながっているはずです。
ロールモデルを設定したら、すぐに結果を求めたり諦めずに、少しずつでも着実に自分のペースで進んでいることを実感することが大事です。
定期的に自身の成長や小さな成功体験を振り返り、自分を認めたり、褒めてあげたりしましょう。

ポイント③成長段階に合わせてロールモデルを見直す
ロールモデルを設定する際の3つ目のポイントは、改善を繰り返すことです。
ロールモデルは一度設定したら終わりではなく、自分の成長段階に応じて見直すことが大切ですよ。
最初は身近な先輩や上司をロールモデルに選んでも、自分の成長に伴って視野が広がり、さらに高い目標を掲げるなど状況が変わる可能性があるからです。
ステージを一段階上げるごとにロールモデルを切り替えたほうが、目標の設定が適切にしやすくなります。
まとめ
この記事では、ロールモデルの決め方を詳しく解説しました。
最後にこの記事をまとめます。
- ロールモデルは自身のキャリア形成や自己成長を促し、理想の自分になるために設定するもの
- ロールモデルを決める前に、まずは自分の理想像を明確にして現状とのギャップを洗い出す
- 自分に合うロールモデルを見つけるには、身近な人やSNS、書籍などから探す
- ロールモデルの候補を分析し、参考にしたい部分や継続して学びを得られるか見極める
- ロールモデルの設定が自己否定の原因にならないように注意する
自分に合ったロールモデルを設定して、キャリアや今後の人生を豊かにしていきましょう。