逃げ癖が治らない理由とは?逃げ癖から抜け出すための具体的なステップ
- また嫌なことから目を背けてしまった・・・
- すぐ逃げてしまう癖を直したい!
- 今度こそ逃げずに向き合いたい!
逃げ癖が治らないと、「この人は都合が悪いとすぐ逃げる」と周囲に認識され、仕事や人間関係を悪くしてしまい、評価を下げる原因になってしまいます。
周りからの評価が下がると孤立したり、自己嫌悪になったりして、成長の機会を逃してしまうでしょう。
今回は、逃げ癖から抜け出し、問題や課題に向き合うための具体的な方法を解説します。
問題や課題にまっすぐ向き合うスキルは、あなた自身の気持ちを整理し、自己成長への大きな後押しとなりますよ。
「困難が立ちはだかったときこそ成長のチャンス」ととらえ、前向きに向き合う方法を一緒に考えましょう。
逃げ癖とは?
逃げ癖とは嫌なことがあったときに向き合わなかったり、問題が起きたら途中で投げ出してしまったり、面倒なことを後回しにしたりして、つい避ける行動を繰り返すことです。
逃げ癖がつくと相手に期待されなくなり、「この人に責任あるポジションは任せられない」とチャンスを与えられず、成長の機会を逃してしまう原因となってしまいます。
「逃げ癖がある」と周囲に認識されることは、評価が下がるだけでなく、自己嫌悪にもつながり、「何をやっても上手くいかない」という悪循環を生み出してしまいますよ。
逃げ癖が治らないと悩んでいるなら、嫌なことや問題が起きても目を背けず、冷静に状況を見る習慣が大切です。
逃げ癖を治したいのに治らない3つの理由
逃げ癖を治したいのに治らないのは、無意識に「逃げることが最善」と思った行動をしているからです。
しかし周囲の人からすれば、「逃げ」の態度は無責任で自分勝手と取られてしまうでしょう。
ここからは、逃げ癖が治らない本当の理由を3つ具体的に解説します。
逃げ癖を治したいと考えている場合、まずは「あのとき逃げてしまった」と自覚のある行動を見直しましょう。
理由①周りが何とかしてくれる環境があるから
面倒なことや嫌なことから逃げても、周囲がなんとかしてくれることがパターン化してしまっている場合、逃げることが癖になります。
逃げ癖が定着すると、「どうせあの人はやらない」「しわ寄せがくるくらいなら先にやってしまおう」と周囲が自分の気付かないところで先回りをし、逃げるどころか面倒ごとが降りかからないケースも増えるでしょう。
一見すると楽な環境に思えますね。
ですが面倒ごとが回ってこないということは、周囲に「大切な業務を任せられない」と判断されているため、成長のチャンスを逃したり、孤立するきっかけになったりします。
やりたくないことをやらない環境は、やりたいこともやらせてもらえない環境も同時に作りだしてしまいますよ。
逃げ癖を治すには自分から一歩踏み出して相談してみると、周囲の認識が変わり、自分を取り巻く環境を変化させられるでしょう。
環境を変えるための具体的な方法は、こちらの記事に詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
理由②過去に逃げたことによる成功体験があるから
過去に逃げたことによって面倒なことや嫌なことが回避できた経験があれば、「同じことをしても大丈夫」と考えてしまい、逃げることが癖になります。
先ほどの「周囲がなんとかしてくれる環境」も同じ成功体験の一つですね。
「嫌なことややりたくないことはできるだけ避けたい」と思うことは、人の心理として当たり前の行動です。
しかし「逃げ」を成功体験ととらえる人は、目先の「楽をしたい」という感情にばかり気を取られ、後になって苦労したり、後悔したりする傾向があります。
壁にぶち当たったときこそ、目の前の感情に流されず、壁となる課題にしっかり向き合う意識が大切です。
理由③逃げずに困難を乗り越えた経験がないから
これまでに逃げずに困難を乗り越えた経験がなく、自分にはできないという思い込みから、面倒なことや嫌なことを避ける癖がつく場合もあります。
「自分にはできない」という思い込みは、自己肯定感を下げ、さらなる悪循環を生み出してしまうでしょう。
「できない」という思い込みには、次の2つのパターンが考えられます。
- 過去に挑戦して大失敗した経験がトラウマになっている
- 未経験の出来事に対して先が見通せず、「できない」と決めつけている
どちらのパターンも、プレッシャーや責任を重く感じた結果、「逃げる」ことで自分を守ろうとしている行動です。
「逃げる」を繰り返すことでいつまでもトラウマを抱えたり、「できない」思い込みが強くなったりしてしまい、困難を乗り越える経験を自ら遠ざけてしまうでしょう。
「できない」と思い込んでしまう人は、困難を乗り越えた成功体験がない人ともいえます。
自分の考えの末に得た成功体験は、小さな成功であっても、「自分は大丈夫」「できる」などの自信につながるからです。
困難を乗り越えた成功体験が、逃げたときの成功体験を上回ることで自己肯定感が上がり、挑戦へのハードルを下げられるでしょう。
まずは、どんな小さなことでも「成功」と認め、小さな成功体験を積み重ねる努力が必要です。
逃げ癖から抜け出すための4つのステップ
逃げ癖から抜け出すには、自分の「逃げる」を選んでしまう心理に向き合い、自分に合った踏み出す方法を考えることが大切です。
自分の本質を理解したうえで一歩踏み出せば、挫折しそうになっても諦めない気持ちを持てたり、解決の糸口を見つけ乗り越えやすくなったりできるでしょう。
ここからは、「職場の人間関係が面倒くさくなるたびに転職に逃げ、キャリアが伸び悩んでいるAさん」を例に、逃げ癖から抜け出すための方法を4つのステップに分けて解説します。
ステップ①逃げたくなる理由を掘り下げる
逃げ癖から抜け出すには、まずは自分が逃げたくなる理由や原因を理解する必要があります。
なぜ逃げたいと思ったのか、何が嫌なのかを深く掘り下げましょう。
逃げたい原因を考えることで、気持ちの整理ができ、問題に対してどう向き合っていくべきかが少しずつ見えてきますよ。
たとえば人間関係が面倒で短期間に転職を繰り返してしまうAさんに必要なことは、自分が「人間関係のどの部分が面倒と感じるか」を掘り下げて考えることです。
これまでの職場では、仲良くなると他人の依頼を断れなくなってしまい、引き受ける仕事の負担が大きくなることに不満があるとしましょう。
すると自分の本質は、「仲良くもしたいけど、仕事は仕事と割り切れる人間関係を望んでいる」ということが見えてきますね。
「面倒くさいから転職に逃げる」しかないという考え方が、「人間関係を改善する努力ができるか」と、向き合う方法を考えるきっかけになるでしょう。
自分の本質を明らかにすることで、逃げ癖の原因をつぶせます。
逃げたくなる理由を掘り下げ、向き合い方を冷静に見つめることが、逃げ癖から抜け出すためのファーストステップです。
「今度こそ逃げないぞ」と、チャレンジする前向きな気持ちを強く持ちましょう。
新しいことへの挑戦の方法やチャレンジのコツについては、こちらの記事をご覧ください。
ステップ②逃げることのメリット・デメリットを整理する
逃げたくなる原因に気がついたら、次は逃げることのメリット・デメリットを整理しましょう。
逃げる理由でも触れたように、「逃げ」は、一時的な自分の感情に支配された行動です。
「逃げない」と決心したのなら、感情を抜きにして長期的に見たときの自分の姿を想像しましょう。
先ほどのAさんの例なら、転職に逃げることによって「仲良くもしたいけど、仕事は仕事と割り切れる人間関係」を得られるかを考えていきます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
転職を選ぶ | 人間関係のリセット | 望む人間関係を確実に手に入れられるとは限らない |
今の職場を選ぶ | 職場の人の性格や雰囲気がわかっている状態なので、自分の望む人間関係に近づけやすい | 自分が変わっても、周りは変わらないリスクがある |
あげたメリット・デメリットはほんの一部ですが、Aさんは今の職場で「上手に仕事を断る方法」や「協力してプロジェクトを成功させる方法」を考えると、本当に望んでいる人間関係を得られる可能性がありますね。
さらに、長期的な視点でメリットを把握することも大切です。
長い目で見ると、Aさんの例なら見自分から人間関係の改善を図る行動で、人間関係のスキルを上げ、自分を成長させられるでしょう。
メリット・デメリットをしっかりと整理することは、自身の成長や目標を設定する行動にもつながり、「逃げない」という選択をしやすくなります。
一時的な感情だけで物事を判断せず、状況を整理し、長い目で見た選択を心がけましょう。
頭の中を整理し、状況を冷静に見る具体的な方法は、こちらの記事をご覧ください。
ステップ③「どうやったらできるか?」を考える
逃げないための向き合い方やメリットが見えたら、具体的な行動を考えていきましょう。
逃げずに向き合うには、とにかくはじめの一歩が大切です。
いきなり問題を解決させようとせず、実践しやすい簡単な方法を考えましょう。
Aさんが職場の人間関係を改善させられる方法の一つとして、先ほど挙げた「上手に仕事を断る方法」があります。
しかし、頼まれごとをして「私の仕事ではないので、できません」と無下に断ると、相手はこれまでとは違うAさんの態度に驚いてしまうでしょう。
いきなり100%を求めるのではなく、まずは、「ここまでなら」や「お手伝いならできます」など、自分も言いやすかったり、相手も許容してくれやすかったりするラインからアプローチすることで、挑戦のハードルを下げられます。
問題に向き合うことは、逃げること以上に勇気とエネルギーを必要とします。
どんなに些細な行動でも、できそうなことから取り組み、達成感を味わいながら次のステップへの自信をつけていきましょう。
ステップ④とにかく一歩を踏み出す
最後に、これまで考えてきたことや設定した目標に向かって、とにかく行動を起こしましょう。
ここでの目的は「問題解決」ではなく、「一歩踏み出せた成功体験」を味わうことです。
メリットやデメリットを考え抜き、自分にできる目標を設定してきたのですから、逃げだす必要はないと自分自身でわかっているはずです。
自信をもって実行に移し、小さな成功を積み重ねましょう。
実行に移せないと悩んだときは、期日を設定したり他人に宣言したりして、やらざるを得ない状況をつくることがおすすめです。
自分を追い込むことで責任感が生まれ、「やらなければ」とより強く思えるようになり、問題と向き合う意識が変わります。
Aさんでしたら、同居の家族や自分自身に「今日は余計な仕事を引き受けず、残業なしで帰ってくるね!」と宣言することで、約束を優先した行動がしやすくなるでしょう。
そして、一度でも目的を達成できれば、成功体験として自信がつき、逃げ癖を克服していけます。
「案ずるより産むが易し」といわれるように、思い切って行動してみれば、心配していたより結果はシンプルなものです。
「逃げ出さない」と決めた自分の気持ちを信じ、行動してみましょう。
自分を信じ、行動するための方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
「逃げてはいけないとき」と「逃げるべきとき」の見極めも大切
ここまで、逃げ癖を治すための問題への向き合い方について解説してきました。
しかし、全ての物事について逃げずに向き合うべきかというと、そうではなく、自分の状況や将来の選択に向けて、「逃げるべきとき」も存在します。
たとえば、以下のような状況は逃げたほうがよいケースです。
- 身の危険を感じるとき
- 心身に支障をきたしているとき
- あまりにも理不尽なことを押し付けられたとき
- 自分の中で他にやりたいことが明確なとき
「逃げずに向き合うべきとき」とは、向き合った先に自分の成長を感じられそうなときや、より良い未来を信じて進もうと思うときです。
10年間同じ職場で辛抱してきたけど、あまりに理不尽な待遇に疲弊して、目標や未来を見失いそうになるようでしたら、「転職へ逃げる」が最善の選択といえるでしょう。
大切なのは、逃げるべき状況なのか、逃げずに向き合うべき状況なのかを判断する力を身につけることです。
正しい判断をするには、自分が今抱えている問題点と、問題と向き合うメリットを整理し、どちらが自分にとってより良い未来かを想像してみるとよいでしょう。
選択に自信が持てない人は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
まとめ
今回は、逃げ癖が治らない理由と逃げ癖から抜け出す方法について解説しました。
内容をまとめていきましょう。
- 逃げ癖とは、嫌なことや問題を途中で投げ出し、避けたりする行動を繰り返すこと
- 逃げ癖が治らないのは、無意識に「逃げることが最善」と思った行動をとってしまうから
- 逃げ癖を治すには原因やメリットなどを考え、「逃げないぞ」と強い意志を持つことが大切
- 「逃げない」意志が固まったら、実践しやすい具体的な方法を考え、とにかく一歩踏み出してみる
- 身の危険を感じたり、自分の中で他にやりたいことが明確にあったりする場合は「逃げる」選択もあり
逃げ癖を治すには、「向き合おう」という強い意志が大切です。
そのためには、逃げたいと思う一時的な感情に支配されるのではなく、挑戦の先にある成長した自分の姿を想像してみましょう。
そして、逃げずに向き合おうとしている自分を認め、成長や成果を積み重ねていくことで新しい自分が見えてきますよ。