
人に頼るのが苦手な原因とは?上手な頼み方を5ステップで解説
- 人に頼るのが苦手になる原因は?
- 仕事の頼み方が知りたい!
- 人に頼ることで仕事にどのようなメリットがあるの?
日本人は、相手に迷惑をかけないことを重んじる空気や風潮がありますね。
特に社会人はひとりで何でもこなせて一人前と見られるため、人に頼るのが苦手な人も多いでしょう。
そこで今回は、人に頼るのが苦手な原因や上手く頼めるようになる頼み方を解説します。
人に頼ることをストレスに感じない考え方を知り、苦しい状況を抜け出すきっかけをつかんでください。
人に頼るのが苦手になる3つの原因

「自分はずっと人に頼れずに生きてきたから、今さら直しようがない」と、人に頼ることを諦めてしまう方もいますよね。
しかし、人に頼るのが苦手になる原因を探ることで、解決策を見つけられます。
ここでは人に頼るのが苦手になる原因を、詳しくみていきましょう。
原因①頼ることに対してマイナスの思い込みがあるから
人に頼ることは甘えであるという固定観念があると、人に頼ることに強い抵抗感を持ってしまいます。
頼られた相手に迷惑がかかることが前提で、それでも人に頼れる人はいませんよね。
しかし「頼る」と「甘える」には、自分で考えてやっているかどうかという点において明確な違いがあります。
「頼る」は自分でやってみたものの解決できなかったことに対して、知恵を借りたり相談することです。
「甘え」は自分でやってすらなかったり、本当は自分でできるのに「面倒だから」といった理由で相手にお願いすることですよ。
「頼る」ことも「甘え」と捉えてしまい、マイナスの思い込みになっていることが、人に頼るのが苦手になってしまう原因のひとつです。
固定観念をリセットする方法については、こちらの記事を参考にしてください。

原因②自分の弱さを見せたくないから
人に頼るのが苦手というよりは、人に頼ることを意識的に避けてしまうことも原因のひとつです。
下記などの理想や価値観があると、頼ったら負けのような気持ちになりやすく、人に頼るのが苦手になってしまいます。
- 任された仕事は自分だけでやり遂げるべき
- 頼っている人を見て「かっこ悪い」と感じる
- 人に頼るような弱さのある自分には価値がない
- 「もっとできることがある」と自分を追い詰める
特にプライドが高かったり、完璧主義を目指していたりすると、このような意識を持ちがちです。
自分の弱さを見せないようにする姿勢が、人に頼るのが苦手な自分をつくってしまうでしょう。
原因③ 頼ることが難しい環境にいるから
頼ったときに断られたり嫌な顔をされたりすると、誰でも次に人に頼るのは怖くなってしまいますよね。
また、幼少期から親や先生などの大人に頼ったことがないと、そもそも「頼る」ということがどういうことなのかわからないケースもあります。
頼った結果、悩みや問題が解決した経験があるからこそ、次も「どうしようもなくなったら頼ってみよう」という選択肢が持てるようになるのです。
社会人になっても周りに頼れるほど信頼を寄せられる人がいない、経験がなく頼み方がわからないことも、人に頼るのが苦手になる原因となりますよ。
もし職場で頼れる人がいない、居場所がないと感じているなら、こちらの記事をぜひ参考にしてください。

【5ステップで解説】人にうまく頼れるようになる頼み方

人に頼れるようになることは、仕事や人間関係を円滑に進めるために必要です。
誰にも頼れず仕事の効率が落ちれば、そのほうが周りに迷惑をかけてしまいますよね。
「人に頼るのは苦手」と悩んでいる社会人は多いですが、正しいモノの頼み方を知って身に付けられれば、どんなシーンでも対応できるようになりますよ。
ここでは、ステップごとに上手な頼み方を解説します。
- ステップ①人に頼ることもひとつのスキルだと理解する
- ステップ②小さなことからお願いしてみる
- ステップ③具体的に「何を・どのくらい・いつまでに」を伝える
- ステップ④感謝の気持ちをきちんと伝える
- ステップ⑤頼った結果をフィードバックする
人に頼ることもそうですが、現状を変えたいと考えているなら、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

ステップ①人に頼ることもひとつのスキルだと理解する
まずは、人に頼ることに対する、自分の価値観を改善していきましょう。
「生まれつき人に頼れる性格や才能を持っているから、人に頼るのが上手」という価値観を持ったままでは、「自分はそんな性分ではないからができない」と考えて行動に移せません。
原因でもお伝えしたように、「人に頼ることは甘えだ」と思い込んでいる場合も注意が必要ですよ。
おすすめは、資格取得で知識を広めたり、経験が作業効率を上げるように、人に頼ることもスキルと捉えることです。
人に頼るのは誰でも身に付けることができるスキルであり、自分でも得られるモノであると、違う視点を持つようにしましょう。
まずは、人に頼ることは甘えでも迷惑でもなく、仕事をする上で必要なスキルであると理解することが大事です。
ステップ②小さなことからお願いしてみる
思い込みをリセットしたら、次は実際に行動をしてみましょう。
いきなり大きなことを頼むのは心理的なハードルが高すぎるため、小さなお願いをしてみることから始めてみてください。
小さなお願いとは、相手にとって簡単で、かつ短時間に解決できるものです。
たとえば、スーパーで探している商品が見当たらないとき、自力で探すよりも店舗の商品を熟知している店員さんに聞いたほうが、ずっと早く解決できますよね。
そこで働いている店員さん(相手)にとって、既定の商品を探すことは難しいお願いではありません(=短時間で解決できる)。
小さなお願いをして断られない経験を積み重ね、人に頼る感覚に慣れていきましょう。
ステップ③具体的に「何を・どのくらい・いつまでに」を伝える
一歩を踏み出す感覚を養ったら、次は頼み方を見直していきます。
人に頼み事をするときは内容を曖昧にせず、具体的に示すと相手は引き受けやすくなりますよ。
たとえば、昼休みに同僚がコンビニへ買い出しに行くときに、自分の分もついでに買ってきてほしいとお願いするとします。
このときに「コーヒーをお願い」だけでは、相手は「ホットなのかアイスなのか」「250mlなのか500mlなのか」「すぐに飲みたいのか昼休みが終わるまで戻ればいいのか」を考えなければいけなくなり、負担になって引き受けるのを躊躇ってしまいますよね。
これを「午後から飲みたいから、250mlの缶のアイスコーヒーを買ってきてほしい」と伝えると、内容が明確になって相手も引き受けやすくなります。
人に何かを頼む際は、相手に伝える意識を持ち、伝わる言葉を使いましょう。
ステップ④感謝の気持ちをきちんと伝える
助けてもらった後は、必ず「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。
会社で社員同士が助け合うのは当たり前と思うかもしれませんが、「ありがとう」といわれて嫌な気持ちになる人はいません。
「ありがとう」を伝えて人間関係が良くなることはあっても、悪化することはないので、人に頼みやすい環境を築きやすくなります。
また、コミュニケーションは質よりも回数が重要とされ、接触する回数が多いほど相手に親しみを感じやすくなります。
小さな頼み事であってもお礼を伝えることで、コミュニケーションも取りやすくなりますよ。
ステップ⑤頼った結果をフィードバックする
感謝を伝えた後は、無理のない範囲で、頼った結果を相手に伝えてみましょう。
人から頼られるということは、その時点で自分を信頼してくれていると受け取れるので、相手は嬉しい気持ちになります。
そこからさらに、「Aさんのアドバイスのおかげで、作業が効率的になり予定がとても捗りました」など頼った結果をより具体的に伝えることで、相手の協力が意味あるものだったと実感してもらいやすくなりますよ。
次の頼み事がしやすくなるだけではなく、今度は相手から「何か困っていることや手伝ってほしいことはない?」と頼られる人になることもあるでしょう。
頼り上手になるための3つのポイント

ステップを踏んで、人に頼ることができるようになってきたら、そこからもう一歩進んで頼り上手になりましょう。
頼り上手な人は、相手からOKをもらえる頼み方が自然とできています。
頼り上手になるためのポイントを詳しくみていきましょう。
ポイント①相手の状況や負担を考慮する
人に頼るときは相手の状況に目を配り、しっかりと観察しましょう。
忙しそうにしていたり他の人と話し込んでいるなど、明らかに余裕がなさそうなときや、機嫌が悪そうな相手に頼みごとをするのはハードルが高いからです。
仕事がひと段落したり機嫌が良いタイミングを見極めて声をかけたほうが、相手も嫌な気持ちにならず引き受けやすくなります。
相手が人をよく見ているタイプなら、自分の状況を見てさっきは声をかけなかったのだと、あなたに対して「気がつかえる人だ」と評価をしてくれる可能性もありますよ。
相手の状況をよく見て、頼み事できるタイミングをはかることが大切です。
ポイント②人間関係の土台を作っておく
初めて会った人にいきなり頼られても、その願いを聞いてあげたいと思う人はいません。
お互いが頼ったり頼られたりできるのは、相手への信頼という土台があるからこそです。
相手から信頼してもらうには、日ごろから挨拶を欠かさず、コミュニケーションを取るなど地道な取り組みが必要です。
時には自分の意見を素直に伝えてみたり悩みを相談することで、相手も「こんなことに困りやすい」とあなたの性格や傾向を知ることができますよね。
また、自分だけが頼る側になるのではなく、相手にも頼ってもらえる人を目指すことも大事です。
相手が困っている様子を見かけたら「何か手伝う?」と積極的に声をかけるなど、毎日の行動を意識してみましょう。
本音で人間関係を良好にする方法については、こちらの記事を参考にしてください。

ポイント③「断られても大丈夫」と考える
前提として、頼み事は必ず引き受けなければならないものではないので、相手には断る余地があるという考えを持つことが大事です。
相手の状況によっては「引き受けてあげたいけれど、他にやらなければいけないことがあって難しい」のが理由で、断っているかもしれないからです。
断られることをシビアに受け止め過ぎず、「そんなときもある」と前向きに捉えるようにしましょう。
なぜ人に頼ることが大切なのか?人に頼ることの重要性

- 視野が広がり、ミスを防げる
- 信頼関係が生まれ、チーム力が高まる
- 自分の本来の役割に集中できる
自分ひとりの知恵や経験よりも、他者の知恵や経験を合わせることで、視野が深く広くなるのは明確ですよね。
人に頼ることで自分だけでは出なかったアイデアが生まれたり、抜け穴に気づいて思わぬミスの防止につながるなど、プラスに作用することはたくさんあります。
自分が不得意であったり、何度チャレンジしても上手くいかないことを人に頼めば、自分のやるべきことに集中できる環境を整えられます。
頼られた相手にとっても成長に役立つので、相互に信頼関係が芽生え、チーム全体の力が底上げされるでしょう。
まとめ
人に頼るのが苦手な原因や頼り方について解説しました。
最後にこの記事をまとめます。
- 人に頼るのが苦手なのは頼ることにマイナスな捉え方をしていたり、自分の弱さを見せたり、そもそも頼ることが難しい環境にいることが原因
- 頼れる人になりたいときは、相手の状況を踏まえた上で、まずは小さなお願い事から始めてみる
- 人に頼った後は感謝の気持ちを伝え、フィードバックを行う
- 日頃から挨拶などコミュニケーションを行う
- 人に頼ることで自分の仕事に集中でき、ミスが減って信頼関係を築きやすくなる
人に頼らず自分の力だけで解決しようとするのは、間違いではありません。
しかし、そこに捉われすぎてしまうと仕事の効率が落ちたり、自己成長が妨げられるだけではなく、職場のチーム力を低下させてしまう可能性があります。
人に頼るのは甘えや迷惑ではなく、よりよい方向に会社や自分が進んでいくための手段であると考え、頼り上手になるスキルを磨いていきましょう。