運営者プロフィール

矢嶋 美由希

株式会社Re Prism 代表取締役

累計1万人以上を指導してきた「強み覚醒」専門の心理コンサルタント。「才能を持ち腐れしている原石を見つけて、人生のブレイクスルーを経験させる」をコンセプトに活動しています。著書「ふだん使いのマインドマップ」etc

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ミスの原因は無意識の行動にある?!無意識の行動の心理と改善方法

  • 自分の悪い癖のせいでミスをしてしまった!
  • 無意識の行動がミスの原因なの?
  • 無意識にやっている癖は直せるの?

あなたには直したいと感じている癖がありますか。

恐らく直したい癖があると思っている人は、その癖のせいで何かミスをしてしまった経験があるからでしょう。

癖は頭で考える前に行動に出ているもので、「無意識の行動」です。

無意識なので癖を直したり変えたりするのは簡単なことではありません。

ですが、ミスを度々していては周囲に迷惑がかかってしまいます。

そんな自分の無意識の行動について悩んでいる人のために、この記事では無意識の行動を改善する方法を詳しく解説しています。

ぜひ参考にしてミスを減らしていきましょう。

目次

無意識の行動とは?その基本的なメカニズムを解説

無意識の行動とは、自覚せずにやっていることです。

「余計な一言をいいがち」「仕事はメールチェックから」など、どんなシーンにも無意識の行動は関わっています。

無意識の行動を分類すると主に4つの種類があり、無意識のなかにある心理が違います。

ここではより詳しく、無意識の行動についてみていきましょう。

タイプ①自動的に取る行動

無意識の行動のひとつめが、長期間繰り返してきた行動や経験によって、意識的な思考を介さずに自動的に行われることです。

簡単にいうなら、自然と身についた習慣ですね。

たとえば、「職場から家までの道を覚えている」「時間ができるとすぐスマホを触る」などが自動的に取る行動としてあげられますよ。

この無意識の行動は繰り返しによる、すりこみで生れる行動です。

タイプ②模倣

無意識の行動の2つめが、周囲の人々や文化からの影響で、知らず知らずのうちに行動していることです。

たとえば「好きなタレントの口癖や言葉遣いを使う」「関西に転勤し関西弁がうつる」などがあげられますよ。

模倣は周りの環境に影響されて生れる、無意識の行動です。

タイプ③潜在的な信念や価値観

無意識の行動の3つめが、自分が持っている強い感情が、意識的な判断を超えて自動的に行動に影響を与えることです。

たとえば「失敗してはいけない」という信念が強いと、無意識のうちに失敗を避ける行動を取りますよね。

この無意識の行動は、信念や価値観、思い込みが強い場合に生まれやすくなります。

タイプ④感情的反応

最後に紹介する無意識の行動が、感情です。

大きな声で「わっ」と言われて驚く、映画を見て泣くなど、感情は無意識に出るケースがほとんどですよね。

喜怒哀楽は、心が動くときに生じる無意識の行動です。

【注意】仕事のミスにつながりやすい無意識行動とは?

  • 会議などの場で感情的に反論してしまう
  • 毎日しているチェック項目を見落とす
  • 会議中にメールが気になりチェックする

このような行動は、気が付かないうちに周囲との調和を乱したり、大事なことを見落としたりとミスにつながってしまうことがあります。

無意識の行動は「無意識」のため、基本的には自分ではコントロールするのが難しいでしょう。

仕事でミスが続いたときは、当たり前になっていることや行動に目を向けて自覚し、より根本的な原因を探っていくことが大切です。

仕事でミスが続き、自信をなくしてしまっている人は、ぜひこちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

無意識の行動を改善するための対策4つ

無意識の行動は、ミスにつながってしまうリスクがあるとお伝えしましたよね。

ミスをしたりトラブルが起きたりすれば、周囲にも迷惑がかかります。自分の評価を下げることにもなるでしょう。

だからこそ、普段から無意識の行動を改善するための対策をする必要があります。

ここでは、無意識の行動を改善するための方法をみていきましょう。

対策①定期的に日々の行動や感情を記録する

無意識の行動を改善するには、自分の行動パターンや日頃の自分の感情を可視化しましょう。

毎日同じような業務だからと言って頭の中だけで考え行動をしていると、やらなければならないことやミスに気が付かずにやり過ごしてしまうことがあるからです。

先の業務まで、すべてを頭の中で覚えておくのは難しいですよね。

一日の行動を書き出して計画を立てたり、チェックリストを作成したり、見える形にしておくことで常に意識できていれば小さなミスを減らせます。

日頃からできるだけ自分の行動を目に見えるように管理し、無意識の行動で起きる小さな見落としを減らすようにしていきましょう。

対策②時間の使い方を計画する

仕事のスケジュール管理や計画をして、時間を有効活用すると無意識の行動を改善できます。

計画するということは、意識的に行動するということだからです。

同じ業務内容をこなす毎日だとしても、状況などに合わせてタイムスケジュールを組むことで集中して業務に取り組めミスを減らせるでしょう。

「今やるべきこと」を決めておくことで、無意識による失敗を防ぐことができますよ。

対策③リラクゼーション技法を実践する

イライラや不安などにとらわれて感情的に行動してしまうのも、無意識の行動だとお伝えしましたね。

ヨガや瞑想など、自分の心の安定を取り戻せる方法を見つけ習慣化すると、感情的に何か行動してしまうことを減らせるでしょう。

これをすれば落ち着くということが自分のなかで確立されていれば、その場の感情で動きそうになったときに、自分でストップをかけられるからです。

無意識に感情的になるのを抑える方法を知っておけば、感情をコントロールしやすくなりますよ。

対策④当たり前のことを確認する

たとえば毎日点検をしなければならないことを、毎日間違いもミスもなく過ごしていると、当たり前にできていると感じるようになりますよね。

「いつも当たり前にできているから」と考えている業務こそ、再確認を怠らないことが無意識の行動の改善策になります。

再確認して、自覚をすることで、思い込みや小さなミスを見つけられるからです。

特にマンネリ化した業務を行うときや、忙しく余裕がないときは、確認が疎かになる傾向にあるので注意しましょう。

毎日やっている当たり前の仕事を再確認すると、無意識の行動からミスへつながるリスクを減らせます。

無意識の行動を改善するときの3つのコツ

無意識の行動を改善するコツは、自分の行動を振り返ることです。

自分の行動を理解し、しっかりと分析をしてみましょう。

ここでは無意識の行動を改善するときのコツをより詳しく解説していきますね。

コツ①無意識の行動をすべて変える必要はない

「癖は直したいもの」との考えが強い方は、「無意識な行動=ネガティブ行動」と捉えてしまいます。

ですが、自分の行動を思い返してみてください。

たとえば朝必ずコーヒーを飲むという行動や毎週欠かさず見る番組があるなど、何気なくしていることが、実はストレス発散やリフレッシュにつながっていることがありますよね。

「周りを観察するクセがある」「気がつくといつもバランサーの役割を担っている」なども、磨けば自分の強みのもとになるでしょう。

無意識の行動のすべてが、ネガティブな行動ではありません。

自分にとってプラスとなる無意識の行動は大切にしつつ、ミスにつながってしまう無意識の行動を改善するのがコツです。

コツ②心に余裕を持つ

心に余裕を持つことで、否定的な言葉に強く反応してしまう、つい余計な一言をいってしまうなどの無意識の行動を防げるでしょう。

余裕があれば、自分の意見とは違ったとしても「そういう考え方もあるんだ」と冷静に受け止めることができますよね。

「意見は違うけど自分はこう思う」などと落ち着いて意見を言うことができるでしょう。

感情的になると周囲とコミュニケーションが取れなくなったり、信用を失い仕事を任せてもらえなくなったりして自分にとって損なことが多いです。

日頃からストレスを溜めず、周囲の言葉や行動を受け入れられる余裕を持つようにすることも、無意識の行動を改善するコツです。

仕事が忙しく、余裕を持つことができない人は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

コツ③行動の理由を自覚する

無意識の行動を改善する際に、コツになるのが行動の理由を自覚することです。

原因や理由がわかれば、解消しやすくなりますよね。

たとえば「何となく元気がたりないから、黄色を足してみよう」、「黄色=元気な色」といった自分の価値観が反映された行動です。

この価値観が良いか悪いかは別として、黄色を使うタイミングで「明るさを求めるなら他の色もある」と意識しやすくなるでしょう。

「何となく」「いつもやっているから」と感じていることを深掘りし、自覚することが行動の改善に役立ちますよ。

無意識の行動を改善して成功した著名人を紹介

今回は無意識の行動を改善して成功を収めた人の一人として、元サッカー日本代表の中田英寿氏を紹介します。

数多くの海外チームでプレーしてきた中田氏は、日本で当たり前のようにしてきた練習方法や周囲との関わり合い方が国によって全く違うことを肌身で感じてきました。

だからこそあらゆる国の選手やチームと関わり合う度に、日本では無意識のうちにしていた行動を改め、国やチーム、選手それぞれに合わせて行動をしました。

そのおかげで、どの国に行っても選手やチーム関係者と強固な信頼関係を築くことができ、記録や記憶に残る選手となったのです。

幼いころからの経験や環境によって、知らないうちに無意識の行動として染みついていることはたくさんあります。

そのような無意識な行動は自分がしていると気が付くことも難しく、またそれを変えるということも簡単なことではありません。

ですがそこに変化を起こさなければ、新しい環境に馴染めず失敗の繰り返しになってしまいます。

これからこれまでとは違う環境に飛び込もうと考えている方は、ぜひ一度自分を客観的に見たり、相手の文化に触れたり立場に立って考えたりしてみてください。

まとめ

この記事では失敗の原因となっている無意識の行動について解説してきました。

最後に無意識の行動を改善する方法をまとめます。

  • 無意識の行動とは自覚せずにやっていること
  • 計画を立てて業務を進めると、意識的な行動が増えて無意識の行動を減らせる
  • 再確認で、無意識の行動からのミスを防げる
  • 自分にとってプラスとなる行動を習慣化することも大切

無意識の行動のすべてが問題の原因となる訳ではありません。

日頃から自己理解に努めたり、心身共に落ち着いて行動できる環境を整えたりしておけば、無意識の行動によるミスは防ぐことができます。

ぜひこの記事を参考にして無意識の行動を改善していきましょう。

きっとミスが減り今より上手に仕事をこなせるようになりますよ。

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